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ナカヤマ磁器

昨年の正月に中山さんは齢93歳で他界されたのですが、なかなかの壮絶な人生を歩まれており、あらゆる作家さんがそうかもしれませんが、借金に追われ続けそれでも傑作を作り続けて人生を終えた方です

 

ナカヤマの器は、多治見では珍しく磁器を扱っております

 

良質なコーヒーを提供するコーヒー屋は、必ず磁器のカップを使用します

カップの内側は白(磁器)でなければならないからです

 

ご本人に伺う事は叶いませんでしたが、販売者の方からとても勉強熱心な方であったと聞きましたので、恐らくコーヒーカップがどういうものでなければならないかは、熟知されていたのではないかと思います

 

驚くべき事に、ナカヤマの磁器は作る形状、模様、色彩によって4種類の磁器を作り分けておりました

 

更に、張り付ける模様(プリント)は最大18種類の色を乗せており、今回購入したカップでさえ15種類の色を使っておりました

 

これはマイセンやノリタケであってもここまでの色を使ってはいません

採算なんてものは常に2の次だからできることです

 

写真の2つのコーヒーカップは、左側がサンプルで右側が製品ですが、プリントする会社に制作を依頼する際、プリント用に書いた柄を渡すだけではなく、実際絵師にそれを書かせて現物を送っていたそうです

 

このサンプルを作るだけでも相当な費用が掛かるのですが、自分が思い描くものと違ってはいけないと、必ず手書きサンプルを作っていたようです

 

貼り付けられている金は純度25%(通常11%)使用し、更にそれを磨き、なんとも品のある色彩に仕上げてあります

 

何もかもが採算度外視です

 

マイセンのカップと比べたら、相当安いですが、マイセンなど問題じゃない品質です

偶然このカップに出会えた事で、本当の物の良さを知る事が出来ましたが、知らなければきっと今頃高価な西洋のマイセンに憧れていたかもしれません

 

人が作る全ての物に言える事があります

 

物の良し悪しというものは、下から見ても理解できませんが、上から見るとよく見渡せます

 

そしてその時初めて、物の価値(値段)を理解できるようになります